「急に家の電気が消えた!」「ブレーカーのスイッチが見当たらない」と困っていませんか。それはスイッチ式ではなく、部品の交換が必要な『ヒューズ』が原因かもしれません。
本記事では、誰でも迷わず安全に対処できるよう、ヒューズが飛ぶ仕組みや正しい種類・アンペア数の選び方をわかりやすく解説します。電気の使いすぎへの対策から、火災を防ぐための交換手順、プロに相談すべき症状まで、専門知識がなくても安心な情報をまとめました。
記事を参考に、予備のヒューズを正しく選んで、落ち着いて電気を復旧させましょう。
【安全上のご注意】 本記事で紹介している内容は、一般的な知識の共有を目的としています。電気工事や分電盤の交換などは電気工事士の資格が必要な作業です。無資格者による工事は法律で禁止されており、火災や感電の恐れがあるため、必ず専門業者へ依頼してください。また、作業中の事故等について当サイトは一切の責任を負いかねます。
ヒューズが飛ぶ原因は「焼き切れ」!ブレーカーとの復旧方法の違い

家事で忙しい時間帯に突然電気が消えると焦ってしまいますが、まずは落ち着いて分電盤を確認しましょう。最近の住宅ではレバーを上げるだけのブレーカーが主流ですが、少し古いお宅ではヒューズという部品が使われていることがあります。
ブレーカーはスイッチがカチッと下がるだけですが、ヒューズは電気の使いすぎで中の金属が熱で溶けて切れる仕組みです。これを焼き切れと呼び、一度切れたらその部品はもう使えません。
お掃除や料理の手を止めて、新しい部品に交換する作業が必要になります。
ブレーカーは「スイッチ」、ヒューズは「交換」が必要
ブレーカーは、例えるなら「何度も押し直せるスイッチ」です。使いすぎてもレバーを戻せばすぐに電気が使えます。一方でヒューズは「一回使い切りの守り神」のような存在です。過剰な電気が流れたときに、自分が身代わりになって溶けて回路を遮断し、家を火災から守ってくれます。
一度役目を果たしたヒューズは再利用ができないため、電球が切れたときと同じように、新しいものに入れ替えない限り暗闇のまま過ごすことになります。
「スイッチが見当たらない」ときはヒューズボックスを確認しよう
停電して分電盤を開けたとき、どこにも倒れているスイッチがない場合は、蓋の裏や内部に黒いツマミや白い陶器の部品が並んでいないか探してみてください。これがヒューズボックスです。スイッチの代わりに、筒状の部品がソケットに差し込まれているのが特徴です。
最近のマンションなどでは見かけませんが、昭和に建てられた一軒家や、離れの小屋、庭の倉庫などでは今でも現役で活躍しています。スイッチがないからと故障を疑う前に、まずはこのボックスの有無を確認しましょう。
ヒューズは使い捨ての部品!予備がないと電気は復旧しない
ヒューズは消耗品なので、一度溶けてしまったらゴミ箱へ捨てるしかありません。そのため、一番困るのが「夜間にヒューズが飛んで予備がない」という状況です。
お店が閉まっている時間だと、翌朝まで電気が使えず、冷蔵庫の中身が心配になったりスマートフォンの充電ができなかったりと大変不便な思いをします。自分で交換できる場合は、予備を用意しておくと安心です。
電気ヒューズとブレーカーは何が違う?それぞれの仕組みと特徴

どちらも「電気を使いすぎたときに止める」という目的は同じですが、その仕組みは全く違います。ブレーカーは磁石などの力を使った精密な機械で、ヒューズは金属が熱で溶ける性質を利用したシンプルな道具です。
この違いを知っておくと、業者さんに状況を説明するときもスムーズになりますし、家族にも「うちはヒューズ式だから予備が必要だよ」と正しく伝えることができます。
何度も使えるブレーカー(配線用遮断器)の仕組み
ブレーカーは、回路に負担がかかると内部のセンサーが反応して、自動でカチッとレバーを落とす仕組みになっています。壊れて止まるわけではないので、原因となった家電のプラグを抜いてからレバーを「入」にするだけで、あっという間に元通りになります。
メンテナンスが楽で、今の暮らしには欠かせない便利な装置です。
過電流で自ら溶ける電気ヒューズの役割
ヒューズの中には、熱に弱い特殊な合金の線が入っています。電気が流れすぎるとその線が熱くなって溶け落ち、電気の通り道を物理的に遮断します。
機械的な故障が少なく、確実に電気を止めてくれるため、昔から信頼されてきました。ただし、復旧するには「古いものを抜いて、新しいものを差し込む」という手作業がどうしても必要になります。
昭和の住宅や特定の設備でヒューズが使われている理由
昔はブレーカーが高価だったため、安くて確実なヒューズが全国の家庭で使われていました。
また、ヒューズは「特定の電流を超えたら絶対に切れる」という正確さではブレーカーより優れている面もあります。そのため、今でも古い住宅だけでなく、電子レンジの内部や精密な機械の保護用として、あえてヒューズが選ばれて使われている場所も多いのです。
ヒューズが飛ぶ=物理的に部品が壊れた状態と理解しよう
ヒューズが飛んだ状態というのは、中の針金のような線が溶けて無くなっている状態です。ガラス管タイプなら、中が空っぽになっていたり、火花で黒く汚れていたりするので一目でわかります。
これは「故障」ではなく「正しく作動して家を守ってくれた証拠」です。電球の交換と同じように、古い役目を終えた部品を新しいものに交換しましょう。
ヒューズ交換に資格は必要?DIYでできる範囲と注意点

電気を扱う作業となると「資格がないと法律違反になるのでは?」と不安に感じる方も多いでしょう。結論から申し上げますと、一般家庭の分電盤において、切れたヒューズを新しいものに差し替えるだけの作業であれば、電気工事士などの国家資格は必要ありません。
これは、電球の交換と同じ「軽微な作業」として認められているため、主婦の方やDIY初心者の方でも、正しい手順を守れば自分で行うことができます。
ただし、何でも自分でやって良いわけではなく、プロに任せなければならない明確な境界線が存在します。
「差し替えるだけ」なら無資格でも法的に問題なし
電気事業法などの法律では、専門的な技術が必要な「電気工事」を無資格者が行うことを禁じています。しかし、ソケットに差し込まれているヒューズを抜き取り、全く同じ規格の新品を入れる行為は、複雑な配線作業を伴わないため例外として扱われます。
経済産業省の資料にも、「電気工事士等資格不要の軽微な工事」として、以下の記載があります。
電圧600V以下で使用する電力量計、電流制限器又はヒューズを取り付け、又は取りはずす工事
引用:経済産業省「電気工事士等資格が不要な「軽微な工事」とは」
したがって、予備のヒューズさえ手元にあれば、ご自身で復旧作業を行っても罰せられることはありません。むしろ、災害時や緊急時の応急処置として、正しい交換方法を知っておくことは非常に有用です。
分電盤自体の修理や改修は「電気工事士」の独占業務
ヒューズの交換はOKでも、それ以外の作業には国家資格が不可欠です。
例えば、ヒューズが差し込まれている「土台(ソケット)」そのものが焦げて交換が必要になった場合や、古いヒューズ式の分電盤を最新のブレーカー式に取り替える工事、壁の中の配線を引き直す作業などがこれに当たります。
これらは一つ間違えると建物全体の火災や感電死を招く恐れがあるため、法律によって資格保持者以外の作業が厳しく制限されています。「ネジを外して配線に触れる作業」が必要になったら、そこから先はプロの領域だと判断してください。
【重要】プロに任せるべき異常のサイン
法的に自分でできる作業であっても、以下のような異常が見られる場合は、すぐに作業を中断して専門業者に連絡してください。
- ヒューズを交換しても、数分以内にまた切れてしまう
- ヒューズボックス周辺から「ジジジ」という異音がしたり、焦げ臭い匂いがしたりする
- ヒューズの金属部分やソケットが黒く変色している
- 家全体の電気がチカチカと点滅するように不安定
これらの症状は、ヒューズ自体の問題ではなく、目に見えない配線の劣化や漏電が原因です。無理に自分で解決しようとせず、電気工事店や電力会社に調査を依頼しましょう。
業者に依頼した場合の費用相場とメリット
プロの電気工事士に依頼した場合、単純な点検やヒューズ交換であれば、出張費と技術料を合わせて5,000円から10,000円程度が相場です。分電盤全体を最新のブレーカー式に交換する場合は、材料費込みで30,000円から80,000円ほどかかります。
プロに依頼する最大のメリットは、専用の測定器を使って家全体の「絶縁状態(漏電していないか)」をチェックしてもらえることです。単に電気を復旧させるだけでなく、将来の火災リスクを未然に防げるため、古い設備を使っているご家庭ほどプロによる点検の価値は高まります。
失敗しない交換のために!正しい予備ヒューズの種類と選び方

ヒューズを買いに行くときに、一番気をつけたいのが「サイズと強さ(アンペア)」の間違いです。ヒューズにはたくさんの種類があり、見た目が似ていても代用はできません。
間違ったものをつけると、入らなかったり、逆に火事の原因になったりして危険です。必ず切れた現物をティッシュなどに包んでお店に持参し、同じものを探すのが失敗しないコツです。
ヒューズの「アンペア数(A)」を刻印で確認する
ヒューズの端にある金属部分には、必ず10A(アンペア)や15Aといった数字が刻まれています。これは耐えられる電気の量を表しています。また、数字ごとに色分けされていることが多いので、以下の表を参考にしてください。
| アンペア数 | 色の目安 | よく使われる場所 |
|---|---|---|
| 10A | 赤色 | 廊下やトイレの照明など |
| 15A | 青色 | キッチンや居間のコンセント |
| 20A | 黄色 | エアコンや大型家電 |
| 30A | 緑色 | 家全体のメイン電源 |
ガラス管ヒューズ・爪付きヒューズ・プラグ形ヒューズの違い
家庭で見かけるヒューズには主に3つの形があります。
- ガラス管ヒューズ:透明な筒状。長さが2cmと3cmのものがあるので測ってから買いましょう。
- 爪付きヒューズ:平べったい金属の板。ネジで止めるタイプです。
- プラグ形ヒューズ:電球の根本のような形。くるくる回して取り付けます。
形が違うと絶対に使えませんので、お家のタイプをしっかり確認してください。
予備ヒューズはどこで買える?ホームセンターや家電量販店での探し方
ヒューズはホームセンターの電気コーナーや、家電量販店の電池・配線売り場に置いてあります。だいたい2〜3個入りのパックで販売されており、価格も数百円と手頃です。
最近はコンビニでは売っていないことが多いので注意しましょう。不安なときは、売り場の店員さんに現物を見せて「これと同じものをください」と言うのが一番安心で確実です。
形状が似ていても代用は厳禁!必ず同じ規格のものを準備する
「5Aがないから10Aでいいや」という考えは非常に危険です。数字が大きいものに変えてしまうと、電気が流れすぎてもヒューズが切れず、壁の中の電線が火を噴いて火事になる恐れがあります。
逆に数字が小さいと、ドライヤーを使った瞬間にまた切れてしまいます。必ず、元々ついていたものと全く同じ数字、同じ形のものを準備してください。
【初心者向け】安全に電気ヒューズを交換する4つの手順

「電気を触るのは怖い」と思うかもしれませんが、手順さえ守れば自分でも安全に交換できます。大切なのは、焦ってすぐに触らないこと。真っ暗な中での作業になるので、まずはスマホのライトや懐中電灯を確保しましょう。
作業前に必ず守らなければならない「命を守るルール」があります。以下の4つのステップで進めてください。
手順1:使用中の家電のプラグをすべてコンセントから抜く
まず、停電したときに使っていた家電(炊飯器、電子レンジ、ドライヤーなど)のプラグをコンセントから抜いて回ります。
プラグが刺さったままだと、ヒューズを交換して電気が通った瞬間にまた過電流が流れ、新しいヒューズがその場でバチンと切れてしまうからです。これではヒューズが無駄になってしまいますので、まずは回路を空っぽにしましょう。
手順2:感電防止のために必ず「主幹ブレーカー」を落とす
作業中に感電しないよう、分電盤の中で一番大きなメインスイッチ(主幹ブレーカー)を「切」にします。これを忘れると、ヒューズのソケットに電気が流れたままの状態になり、触れたときにビリッと感電して大変危険です。
家全体の電気を完全に遮断してから作業するのが、電気工事の鉄則です。
手順3:古いヒューズを慎重に取り外し形状に異常がないか見る
主幹ブレーカーを落としたら、古いヒューズを外します。ガラス管タイプは指でつまんで引き抜き、プラグ形は左に回して外します。
取り出したヒューズをライトで照らして見てみましょう。中の線が切れているだけなら単なる使いすぎですが、もしガラスが真っ黒に焦げていたり、変な臭いがしたりする場合は、故障や漏電の可能性があるので注意が必要です。
手順4:新しいヒューズを確実に装着してブレーカーを戻す
新しいヒューズをソケットに差し込みます。グラグラしないように、奥までしっかりとはめ込んでください。緩んでいるとそこが熱を持って故障の原因になります。
装着できたら、最後にメインスイッチを「入」に戻します。これで無事に電気がつけば成功です。一つずつ家電のプラグを戻していき、様子を見ましょう。
火災のリスク大!ヒューズ交換で絶対にやってはいけないNG行為

ヒューズのトラブルで最も怖いのは火災です。電気は目に見えないため、間違った対処をすると知らないうちに壁の中が熱くなり、数分後には火を噴くこともあります。
特にお店に行けない夜間などは「代わりになるもの」を探したくなりますが、絶対にやってはいけないことがあります。安全確保のために、以下のルールは必ず守ってください。
指定より大きいアンペア数のヒューズを使うのは危険
10Aの場所に「切れにくいから」と20Aのヒューズを入れるのは絶対にやめましょう。これは、家を守るための「安全装置」を外してしまうのと同じです。
電線が耐えられる限界を超えても電気が流れ続けてしまうため、ヒューズではなく電線が燃え上がることになります。必ず元の数字と同じものを使ってください。
針金やアルミホイルによる代用は絶対にNG!火災の原因に
切れたヒューズの代わりに針金やアルミホイルを詰め込んで電気を通そうとするのは、絶対に禁止です。これらは「一定の量で溶ける」という機能がないため、異常な電気が流れても止まりません。
そのまま電気が流れ続けて、コンセントや家電が燃え出す「電気火災」の典型的な原因になります。
ヒューズがすぐに飛ぶ場合に何度も交換を繰り返さない
新しいヒューズに替えても、すぐにまたバチンと切れてしまう場合は、どこかでショート(短絡)が起きています。これを無視して何度も交換を繰り返すと、電気回路に大きなダメージを与え、最悪の場合は火災につながります。
2回連続で切れるようなら、それはヒューズの問題ではなく、家の配線や家電に深刻な異常があるサインです。
濡れた手で作業をしない!電気作業の基本ルール
家事の途中で手が濡れたまま分電盤を触るのは厳禁です。水は電気を非常に通しやすいため、乾いた手なら平気なわずかな漏電でも、濡れた手だと大量の電気が体を通って感電してしまいます。必ずタオルでしっかり手を拭き、ゴム底のスリッパを履くなど、体に電気が流れない工夫をしてから作業しましょう。
交換してもすぐにヒューズが飛ぶ場合の根本的な対策

ヒューズを替えても解決しないときは、無理に自分で何とかしようとせず、早めにプロの力を借りるのが一番安上がりで安全です。電気のトラブルは放置すると火災につながりやすいため、早めの対処が肝心です。
なぜヒューズが飛んでしまうのか、考えられる原因をチェックして、自分ではどうにもできないと感じたら電気工事店へ相談しましょう。
- 家電の使いすぎ(電力オーバー)が起きていないか再確認
- 特定の家電をつなぐと飛ぶなら「ショート」や「故障」を疑う
- 絶縁不良や漏電の可能性がある場合は専門業者へ相談
ヒューズが飛ぶときの対策については、以下の記事で詳しく解説していますので、あわせて参考にしてください。
正しいヒューズ交換の手順を守って安全に電気を復旧させよう

ヒューズは古臭い部品に思えるかもしれませんが、実は健気に家を守ってくれている大切なパーツです。突然の停電には驚いてしまいますが、正しい手順と予備のヒューズがあれば、復旧は可能です。
まずは落ち着いて分電盤を確認しましょう。自分での交換は可能ですが、「怖いな」「おかしいな」と感じたら、無理をせずにプロに依頼してください。






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