「三菱の冷蔵庫から突然カチカチと音が聞こえて不安……」
冷蔵庫から異音がすると、故障なのかと心配になります。三菱独自の「切れちゃう瞬冷凍」や「自動製氷」などの高性能な機能は、その仕組み上、どうしても作動音が目立ちやすいという特性があります。しかし、なかには「故障のサイン」が隠れていることも。
本記事では、三菱冷蔵庫特有の構造を踏まえ、音の発生源の特定方法から、修理が必要な異常音と放置して良い正常音の見分け方まで、客観的な基準で詳しく解説します。
メーカー共通の「カチカチ音」の原因や故障の見分け方を知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
結論|三菱冷蔵庫の「カチカチ音」は故障?音の発生源と緊急性の判断基準

三菱の冷蔵庫から聞こえるカチカチ音は、多くの場合が製品の機能維持における正常な動作音です。三菱独自の「切れちゃう瞬冷凍」や自動製氷機能は、精密な温度管理のために部品が頻繁に駆動する特徴があります。
ただし、音と同時に冷却能力の低下や操作パネルの点滅が見られる際は、内部パーツの故障を疑うべきサインです。まずは音の発生頻度と、庫内の温度状態を客観的に確認して緊急性を正しく判断しましょう。
多くの場合は自動製氷機やダンパー作動による「正常な動作音」
三菱冷蔵庫で発生するカチカチ音の正体は、主に自動製氷機の離氷動作や、冷気の流れを制御するダンパーの開閉によるものです。離氷時はモーターが氷を押し出す際にカチカチと規則的な駆動音を発します。
また、庫内温度を0.1度単位で調整する三菱の高精度な制御システムは、他社製品よりもダンパーの作動頻度が高い傾向にあります。これらは製品の仕様であり、24時間の間で周期的に発生するものであれば、故障の心配はほとんどありません。
庫内が冷えない・パネル点滅を伴う場合は「基板やコンプレッサーの不具合」
音の種類が同じカチカチでも、冷蔵庫の基本機能である「冷却」に支障が出ている場合は、電気系統や駆動部の故障が強く疑われます。特に背面のコンプレッサー付近から音がし、その直後にブーンという運転音が止まる場合は、起動用部品の不具合が考えられます。
また、前面の操作パネルが特定の回数で点滅している状態は、マイコンが異常を検知している自己診断の表示です。以下の表で、正常な音と異常なサインの違いを整理しました。
| 状態の比較項目 | 正常な動作(様子見) | 故障の疑い(要修理) |
|---|---|---|
| 庫内の温度 | 設定通りに冷えている | アイスが溶ける、飲み物がぬるい |
| 音の発生サイクル | 1時間に数回、短時間鳴る | 数秒おきに連続して鳴り続ける |
| 液晶・ランプ表示 | 通常通り点灯または消灯 | 温度表示や節電ランプが点滅 |
修理が必要な異音と放置して良い音を秒速で見分けるチェックリスト
異常事態をいち早く察知するために、まずは現状の動作をセルフチェックしてください。以下のリストのうち、一つでも該当する場合は早期の点検を推奨します。
- カチカチという音の後に、ガタガタと大きな振動が続く。
- 製氷停止ボタンを押しているのに、製氷機付近から音が鳴り止まない。
- 冷蔵庫の背面が触れないほど異常に熱くなっている。
- 音の間隔が以前よりも明らかに短くなり、夜間に目が覚めるほどの大きさになった。
- 庫内の壁面に異常な量の霜が付着しており、冷気の吹き出し口が塞がっている。
三菱特有の構造が生む「カチカチ・パチパチ」音の正体とメカニズム

三菱冷蔵庫は「瞬冷凍」や「氷点下ストッカー」など、食材の細胞破壊を抑える独自の冷却技術を搭載しています。これらの高度な鮮度保持を実現するためには、冷気のルートを複雑に切り替える必要があり、結果として可動パーツの動作音が目立ちやすい構造となっています。
また、省エネ性能を高めるために壁面の断熱材が薄型化・高性能化していることも、内部の微細な作動音が外部に響きやすい要因の一つです。
「切れちゃう瞬冷凍」や温度調節に伴うダンパーサーモの開閉音
三菱の代名詞である「切れちゃう瞬冷凍」は、微凍結状態を維持するために頻繁な温度調整を行います。この際、冷気の通り道を塞いだり開けたりする「ダンパーサーモ」という部品が作動します。
ダンパーが動く際に「カチッ」という乾いたスイッチ音が響きますが、これは設定温度を忠実に守ろうとしている証拠です。特にドアを開閉した後や、温かい食品を入れた直後は、急速に温度を調整しようとするため、音の発生回数が一時的に増加します。
自動製氷機の「離氷動作」と給水ポンプの駆動サイクル
自動製氷機能は、氷を製氷皿から落とす「離氷」のタイミングで最も音が発生します。三菱の製氷機は、モーターが皿をひねる際にカチカチというギヤの噛み合わせ音が生じ、その後に氷が落ちるパラパラという音が続きます。
また、給水タンクから製氷皿へ水を送るポンプが作動する際も、低い振動音と共にカチカチという駆動音が聞こえる場合があります。製氷サイクルは通常2時間から3時間の間隔で行われるため、この頻度で鳴る音は正常です。
夏場や設置直後に発生しやすい「樹脂の熱膨張・収縮」によるきしみ音
気温が高い夏場や、製品を設置したばかりの時期には「パチパチ」「ミシッ」といったきしみ音が聞こえることがあります。これは、冷やされた庫内と外気温との差によって、プラスチック製の樹脂や断熱材が膨張・収縮するために起こる現象です。
特に三菱の大型モデルは庫内容積が広いため、部材の伸縮幅も大きくなる傾向にあります。物理的な変形に伴う音であり、部品が摩耗しているわけではないため、製品の寿命や性能に影響を与えることはありません。
【ケース別】音の鳴り方と発生場所から特定する原因と対処法

冷蔵庫から聞こえる音の原因を特定するには「どこで」「いつ」鳴っているかを観察することが重要です。音の発生源は大きく分けて、上部の冷蔵室奥、中段の製氷室、そして背面の機械部に集約されます。
場所ごとに考えられる原因を整理することで、無駄な修理費用をかけることなく、適切なセルフケアで改善できる場合があります。以下の状況別パターンを参考に、現在の症状を当てはめて確認してください。
氷ができていないのに製氷機周辺から数分おきに音が鳴る場合
給水タンクが空の状態や、製氷停止の設定をしていない状態で放置すると、ポンプが空打ちをしてカチカチと音を立てることがあります。また、製氷皿に氷が詰まっている場合、離氷モーターが空回りして異音を発します。
以下の手順で製氷機の状態をリセットしてください。
- 給水タンクに水が入っているか、正しくセットされているかを確認する。
- 製氷停止ボタンを一度押し、再度「製氷」に設定し直してシステムを再起動させる。
- 製氷皿を取り外し、奥に氷のかけらが挟まっていないか目視で確認する。
- 検氷レバー(氷の量を測るアーム)が、貯氷箱内のスコップなどに干渉していないかチェックする。
背面や下部から「カチッ」と鳴り、その直後にモーター音が止まる場合
冷蔵庫の背面下部にあるコンプレッサー付近から「カチッ」という音がし、その後に運転が止まる場合は、コンプレッサーの過負荷や起動用部品(スターター)の不具合が懸念されます。特に夏場、壁との隙間が狭いと放熱が追いつかず、保護装置が働いて強制停止することがあります。
| チェック項目 | 対策アクション |
|---|---|
| 壁との距離 | 左右5mm、上部50mm以上の隙間を確保する |
| 背面の埃 | 掃除機で下部の吸込口にある埃を取り除く |
| 電源プラグ | 一度コンセントを抜き、10分待ってから再度差し込む |
冷蔵室の奥から不定期に乾いた音が響く場合の温度設定とリセット手順
冷蔵室の奥から聞こえるカチカチ音は、冷気をコントロールするダンパーが凍り付いてスムーズに動けなくなっているサインかもしれません。扉の開閉回数が多いと庫内の湿度が高まり、可動部に霜が付着しやすくなります。
この場合は、一度設定温度を「中」から「弱」に変更して様子を見るか、三菱の「操作パネルのリセット操作」を試してください。一時的なマイコンの誤作動であれば、設定の変更や強制除霜によって音が解消されるケースが多々あります。
放置厳禁!異音に伴う「故障のサイン」と想定される修理費用・リスク

カチカチという異音を「いつものこと」と放置していると、ある日突然、完全に冷却機能が停止する恐れがあります。特に三菱の冷蔵庫は精密な電子制御を行っているため、一つの小さな部品の故障が、システム全体の致命的なダメージにつながることも珍しくありません。
異変を感じてから修理を依頼するまでの期間が長引くほど、修理費用の増大だけでなく、生活に深刻な影響を及ぼすリスクが高まってしまいます。
制御基板のリレー故障が疑われる「連続的なカチカチ音」の正体
冷蔵庫の心臓部を司る「制御基板」には、電気のスイッチを切り替えるリレーという部品が搭載されています。このリレーが寿命を迎えると、接触不良を起こして「カチカチカチ…」と高速で連続的な音を立てるようになります。
これは電磁スイッチが激しくチャタリングを起こしている状態で、そのまま放置すると基板がショートして煙が出たり、最悪の場合は発火のリスクもゼロではありません。異常な連打音が聞こえたら、直ちに使用を中止して専門業者へ相談してください。
コンプレッサーの起動失敗による過熱保護装置(プロテクター)の作動
冷蔵庫を冷やすための心臓であるコンプレッサーが、何らかの原因で正常に回れなくなると、過熱を防ぐための保護装置が「カチッ」と音を立てて回路を遮断します。これを何度も繰り返すと、コンプレッサー自体に過度な負荷がかかり、焼き付き故障を引き起こします。
コンプレッサーの交換修理は非常に高額で、部品代と技術料を合わせると5万円から8万円程度の出費となるのが一般的です。初期段階であれば安価な部品交換で済む可能性が高いため、早めの決断が重要です。
修理を先延ばしにすることで発生する食材廃棄と電気代の高騰リスク
異音が発生している状態の冷蔵庫は、本来の冷却効率を発揮できていません。設定温度に達しないためにコンプレッサーがフル稼働し続け、電気代が通常の2倍以上に跳ね上がることもあります。
また、冷却不足に気づくのが遅れると、中に保管している数万円分の食材をすべて廃棄しなければならなくなります。
- 修理費用の目安(基板交換):約15,000円〜25,000円
- 修理費用の目安(製氷機ユニット):10,000円〜20,000円
- 放置による損失:電気代の増加 + 数万円相当の食材廃棄 + 故障箇所の拡大
三菱冷蔵庫の異音トラブルに関するよくある質問(FAQ)

三菱冷蔵庫のオーナーから寄せられる、異音に関する具体的な疑問とその回答をまとめました。取扱説明書を読み込む時間がない方でも、まずはここを確認することで現在の状況が「異常」か「正常」かを即座に判断する助けとなります。
三菱製ならではの機能特性を理解することで、過度な心配を取り除き、適切なメンテナンスを行えるようになります。
「瞬冷凍」設定をオフにすればカチカチ音は収まるのか?
「瞬冷凍」設定をオフにすることで、ダンパーの作動頻度が減り、結果としてカチカチ音が軽減される可能性は十分にあります。しかし、冷蔵庫全体の温度管理のためにダンパーは常に動き続けているため、完全に音が消えるわけではありません。
もし音が気になって眠れないなどの支障がある場合は、一時的に設定を「通常冷凍」に切り替えて、音の変化を確認してみてください。それでも音が変わらない場合は、製氷機など他の部品が発生源である可能性が高まります。
購入から10年以上経過している場合の「修理か買い替えか」の判断基準
冷蔵庫の部品保有期間は一般的に製造打ち切りから9年とされています。10年以上経過している場合、修理部品の在庫がないケースが多く、たとえ修理できたとしても他の箇所が連鎖的に故障するリスクが高いです。
最新の三菱冷蔵庫は省エネ性能が劇的に進化しており、10年前のモデルと比較すると年間電気代が大幅に安くなるメリットもあります。
| 判断項目 | 修理を推奨 | 買い替えを推奨 |
|---|---|---|
| 使用年数 | 5年以内 | 9年〜10年以上 |
| 修理費用 | 2万円以下 | 5万円以上(または部品なし) |
| 冷却の状態 | 冷えているが音がする | 全く冷えない、異臭がする |
防振マットの設置や本体の水平調整で改善する可能性はあるか
カチカチという機械的な作動音そのものを防振マットで消すことは難しいですが、音が床に伝わって増幅される「共振」を防ぐ効果は期待できます。また、冷蔵庫がわずかに傾いていると、自動製氷機のパーツに歪みが生じて異音が大きくなることがあります。
前面下部の脚部にある調節ネジを回し、本体を水平(またはわずかに後傾)に調整するだけで、驚くほど静かになるケースも少なくありません。まずは本体を揺らしてガタつきがないか確認することをおすすめします。
三菱冷蔵庫のカチカチ音を解決して故障リスクを最小限に抑えよう

三菱冷蔵庫のカチカチ音は、その多くが優れた鮮度保持機能による「働き者の証」です。しかし、音の質や頻度の変化、そして冷却能力の低下を見逃さないことが、大切な家電を長持ちさせる鍵となります。
まずは本記事で紹介したセルフチェックを行い、現在の音が「正常な範囲内」にあるのかを確認してください。もし不安が残るようであれば、深刻な故障に発展する前に、三菱のサポート窓口や専門の修理業者へ点検を依頼しましょう。



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